元伊勢大饗石のLiDAR測量 LiDAR measurement of Oo-Ae-ishi, a big table rock for a banquet, near the former Grand Shrine of Ise
はじめに このpostingでは,このテーマに限定する。iPhone 12 Proによって大饗石のLiDAR測量結果は得ている。さらに,幾つかの手順で外観だけでなく,数値データも整理する必要がある。そのアプリとして最も利用されているのが,CloudCompareである。Windows版のオープンソースであり,ドーネーションが期待されている。ここではインストールされていることを前提とする。メニューの一部が日本語化されているバージョンもあるが翻訳が不完全で,日本語化されているものはお勧めできない。 ぼくはmouseのWindows 10とmac内のWindows 10 on Parallels Desktopにインストール (2022年3月実施)している。このウェブページでのコンテンツ利用には,mac内が便利ではあるが,多々支障はある。なお,mac版も提供されているが以前使って問題があって,ぼくのmacからは削除している。以下を実行する上で,次のページを読み込む必要性がある。 iPhone 12 Pro撮影の3Dスキャン画像の座標を捉える 裸岩露頭のiPhone 12 Proを使った点群撮影 二つの3Dスキャンマップを繋ぐ 1 iPhone 12 ProからCloudCompareにファイル転送する iPhone 12 Proからファイル出力の際には,USDZ以外,Metascan Proの契約をしていないとできない。唯一有効なPC処理アプリCloudcompareは,残念ながら,USDZに対応していない。大饗石のLiDAR撮影結果は,すでにMeshファイルとしてはFBX(121.5MB),Point CloudファイルとしてはPLY(81.8MB)とXYZ(zip 89.9MB)を出力し,macに取り込んでいる。XYZ出力はzipファイルとして出力されているので,解凍する必要がある。この順でCloudCompareに取り込んだ結果が次の図1である。 左端のツールのうち,虫眼鏡直下のSet top viewが図1のコンソールに現れている。このコンソールの右下隅には,3D軸が見え,これは右手座標系でZ軸は手前方向に延びている。 図1の中央の赤線で囲んだ範囲が大饗石で,この上に何か白いキノコのようなものが見える。図2ではこの図1を少し回転したもので,赤丸で囲んだこの白いキノコのようなものは大饗石よりも高い位置にあることがわかる。スキャンニングの際に,大饗石よりも高い位置の「障害物」が捉えられているのである。大饗石だけを残す形で切り取ることになる。 以上,Dec. 31, 2022記。 2 必要な部分を切り抜く このLiDAR測量の際の意図をはっきりとは,もう覚えていない! 大饗石のみを詳細にスキャンしたつもりではあるが,大饗石周辺もかなり捉えられている。大饗石のみを切り出そうと考えていたが,まずはより広い範囲をまずは抜き出したいと思う。そこで,topビューで大饗石とその周辺を切り出すのではなくて,地上の木本以外の地形を切り出すべく,z軸に直交する平面で切り取りたいと思う。 CloudCompareで不要なポイント群または面群の削除 にはその手法を整理しているので,参照して欲しい。この参照を前提に,以下,記述する。 1 まずはこの例では,set lift sideして,ツール左端の‖をクリックして,Segmentation [PAUSED] にして,フロートや邪魔になりそうなスギの頭などがsegmentしやすいように回転などして,ツール左端のトグルスウィッチ‖をクリックして,segmentationを実行してゆく(図3→図4)。segmentationを実行すると,Segmentation [PAUSED]にもどるので,位置決めをして,また,トグルスウィッチ‖をクリックして,segmentationを実行してゆく。 一応,終了しよう。ツールの✅️(confirm segmentation Enter)した。その直後が図5で,remainingとsegmentedがともに表示されている。前者の✓を外したのが図6であり,作業結果が見える。set right side view,表示である。ほぼ側面図にあたる。中央のトップが水平に近い岩塊が凝灰岩(fall)からなる大饗石で,左手の岩塊はデイサイトの大岩塊である。いずれも前期中新世の溶岩または凝灰岩層から,崩落したものである。 保存作業であるが,remainingファイルはこれを右クリックで選んでdeleteした。 作業結果のクラウドを保存するには,segmented Fileを選んで,保存することになるが。File > saveの形で,ファイル名に_segmentedを追加して,元ファイルのフォルダに保存すべく実行して,確認のために,このtxtファイルを読み込んで表示したのが図7であるが,残念ながらRGB表示ができない。 図8のように,保存する際に下段にファイル名とファイルの種類を指定する必要性がある。デフォールトでは元々のファイル名がそのまま使用され,ファイルの種類もtxtファイルになってしまう。図7はファイル名には_segmentedを追加したがtxtファイルで保存してしまった。図8ではファイルの種類をbinつまり,ClouCompare entities,にして保存したのである。binとは,binary拡張子で,バイナリー形式のデータであることを表している。txtファイル形式ではCloudCompareの機能を発揮できないのである。 それゆえ,処理のそれぞれの画期で,ファイル名に作業を付加したbinファイルを保存してゆく必要がある。図6の形で完成とも考えることができる。大饗石だけよりも,立地がよく理解できる。とはいえ,大饗石の3D情報を得たいと考えての調査であったので,この大饗石だけを刳り抜いて見たい。図9は大饗石のズームインである。 3 大饗石だけの刳り貫き 大饗石3Dクラウドを確保したい。図10はset top viewにして表示したもので,この形でsegmentedしたが不明瞭な部分が多く,図11〜13のようにパースで見て,segmentedしていった。図14は新たにbinファイルとして保存したものである。binファイル名は,metascan_20221121-1440大饗石周辺のロックフォール_onlyOoaeishi.binというように名付けることができるが,この下位のクラウドの名称は自動的に,metascan_20221121-1440大饗石周辺のロックフォール – Cloud.segmented.segmented,となる。 以上,Jan. 1, 2022記。 4 大饗石の体積を求める1: まずはデフォルトで 3Dファイルにはメッシュmeshと点群point cloudがある。画像的な表現では前者がより優れているが,右座標系など幾何学的な分析には後者がすぐれているようにぼくは感じている。体積計算に関しては,公式マニュアルは全く役に立たない。 では,http://www.cloudcompare.org/doc/wiki/index.php/Main_Page,はどうだろうか。2.5Dで検索すると,2.5D Volume のページに行きつく。このページを理解した上での使用例として,下記を挙げる。CloudCompareでの体積計算 その2 (その1はこの「その2」の予告だけ)(引用1)2.5D Volumeの説明に従って,大饗石の体積計算に挑む。このアプリは次の機能がある。This tool can be used to compute the volume between a 2.5D cloud and an arbitrary plane (constant height) or between two 2.5D clouds. 二つのクラウド間の扱う例としては,例えば工事前Beforeと工事後Afterで,土量のプラスマイナスを求めることができる。一つだけのクラウドで体積を求めるというのは,この大饗石の体積を求めたい場合である。図6のように,大饗石のトップはほぼ水平で下部もまあ水平と見做すことができるので,下部の最も低い部分の高度を使えばいいと思う。(引用1)の「an arbitrary plane (constant height) 」をその高度とすれば良いだろうということになる。 1 フォルダと対応ファイルに✓して,対応ファイルを選ぶ(ハイライト)。そして,Tools > Volume > Compute 2.5D volume 。 図15はleft side viewである。奥行きの軸がXで,縦長の軸がY,そして垂直軸はZとなっている。左のペーンのPropertiesのBox dimensionsを見ると,X: 5.39993, Y: 7.43598, Z: 2.96101,となっている。iPhone […]
